2000人のホームページができるまで

1.集落への周知


 「2000人のホームページ」の基本は突撃訪問。それは住民の方々が、普段の生活の中で感じていることをそのまま聞きたいからです。しかし、本当になんの前触れもなく、いきなり見知らぬ若者が集団でやってきてウロウロしては、住民の方に不安感や恐怖感を与えかねません。
 そこで、まずはその集落の区長さんに連絡を取り、集落放送や回覧板などで住民の方々にお知らせしてもらいます。少なくとも、訪問販売や犯罪者ではないことが伝わっていれば、突然お宅へ伺ってもお話がしやすくなるのです。

2.各戸へ突撃訪問


 取材は自分たちの足で集落を歩き、お宅を一軒一軒回って行います。持ち物は趣旨を説明するチラシと筆記用具。だいたい二人ないし三人で一組になり、家にいらした方からお話を聞いていきます。
 用事やお客さんがあって都合が悪い場合には、アポイントメントをとって後日改めて伺います。

3.内容の説明


 お宅へ伺ったら、まずは「2000人のホームページ」という企画の説明から。最近では、すでにこの活動のことをご存じの方も増えましたが、それでも自己紹介は大切です。
 「ホームページ」と言ってわからない方にも、お話いただいた内容が世界に発信されるということを、しっかり伝えます。
4.聞き取り調査


 さて、趣旨説明をした上で、お話を聞かせていただけるという方には、いよいよヒアリング(聞き取り調査)の始まりです。
 こちらから質問する内容は、その方が生まれてから今までの人生史、趣味や特技、また町や集落に対する想い・意見など。話が盛り上がったときには、無理に質問せず、流れに任せることもあります。2000人のホームページの真価は、ジャンルに囚われない早川町民の自然な生き様の採集。取材相手の一番輝いている部分をいかに引き出すか、ここで取材班の腕が問われます。
5.記念撮影


 一通りお話を聞いたら、最後にホームページ掲載用の写真を一枚お願いします。顔を出すことに抵抗感を持つ方もたくさんいらっしゃいますが、せっかくのお話に写真がないのは寂しいので、取材班は粘りづよくお願いします。
 ただ、あんまり粘ってせっかくのいい雰囲気を台無しにしてしまわないよう、適度な押し引きが肝心です。そうした説得の末、記念撮影として納得していただけることも。取材班の喜びもひとしおです。
6.見どころ調査


 さて、こうした取材の合間には、時々半端な時間が残ります。そんな時、取材班は集落内のみどころを探しに出かけます。
 観光客が立ち寄りそうな神社・仏閣・遺跡などはもちろんですが、雄大な風景、民家や田畑、ちょっとした草花・樹木まで、その集落の気に入った物や場所をチェックし、どんどん写真に収めていきます。
7.ミーティング・記事の作成


 夕方になると取材班は交流センターに戻り、全体でのミーティングを行います。その日撮った写真や、どのお宅の誰から話を伺ったかなどをまとめ、次の日の取材活動の予定を決めていきます。
 その後は、その日伺った話を、班のメンバーと話し合いながら各自が記事にまとめていきます。特にスケジュールが決められているわけではありませんが、限られた日数や時間をどう使うかは自己責任。
 記事を書く時間は夜(しかも夕食の後)しかないので、作業が深夜に及ぶこともしばしばです。
8.修正・入力・印刷


 さて、取材期間も大詰めになると、いよいよホームページの制作準備に取りかかります。
 まずは全ての記事に全員で何度も目を通し、誤字・脱字のチェックや、写真や内容に間違いがないかを調べ、逐次修正していきます。
 その後、出来上がった記事をホームページ用のデータとしてパソコンに入力し、同時に印刷。
 最終日前日には、こうした作業が深夜まで、下手をすると翌朝まで続きます。
9.内容の確認


 そして最終日。お話いただいた方々に感謝の気持ちと完成した記事を届け、内容の確認をお願いします。
 取材形式をとっている以上、記事内容の真偽は結局ご本人にしかわかりません。訂正箇所があった場合には連絡をいただき、そのつど修正していきます。
10.いざ発信!


 チェック期間の一週間を過ぎ、修正箇所のデータを直し終えたら、いよいよ全ての記事をホームページとして出力。サーバにアップロードしてインターネットに乗せ、世界へ向けて発信します。