私たちは、『山の暮らしを守る』を使命として、山の暮らしの価値を伝える/担い手を育てる/課題を解決する の3つを柱に活動しています。

自然や社会のさまざまな領域にわたり、上流という地域が持つべき姿を学ぶとともに、その実現に向けて行動しています。

 

 

過去と今から風土と暮らしを学び、後世のために実践する

 水は地球上に生命を生み出しました。植物も動物も人間も、そして村や町や都市も、水のあるところに生まれ育ちました。生きるものにとって、水はいのちなのです。かつて人間のくらしは、水の湧き出る、山と森に包まれた上流にありましたが、農業によって中流へ、やがて、下流を中心とする都市へとその中心が移り変わっていきました。狩猟から農業へ、そして工業へ、それは飽くことのない人間の欲望の追求の歴史でもありました。こうしたなかで、人の活動の源泉であった上流は、次第に下流域の作り上げた文明の論理にのみ込まれていきました。

 しかし地球は有限です。上流のおくりだす水とエネルギーに支えられ、繁栄を誇るかに見えた下流も、ようやくその浪費と資源の枯渇に気がつき、環境の汚染にあえぎはじめました。

 上流圏・早川に住む私たちは、山と水とを守り続けた先人に学び、自然とともに生き、資源を大事にし、真に人間らしくくらすことができる地域の創造へといちはやく出発しようと思います。
 私たちの目標は、中流・下流の都市と役割を分担しながら、将来にわたって人間が生き続けるための、自然と共生できる新しい文明を構築し、そして上流としての文化を創出することです。私たちは、自然や社会のさまざまな領域にわたり、上流という地域が持つべき姿を学び始めるとともに、その実現に向けて行動をはじめます。そして、多くの上流圏と交流を深めながら、地域を、そして日本を動かしていきたいと考えます。ゆっくりと、しかし確実に、100年ぐらいのたっぷりとした時間をかけて私たちは進みます。

 

(早川町第3次長期総合計画 『日本・上流文化圏構想』H6.4 前文より)